プログラマーになるのにスクールは必要なのか
更新日:2023/09/04
最近、プログラマーになるためにスクールに通うのはおススメしないという内容の記事をよく目にします。
しかし読んでいて、モヤモヤしてきます。
その理由をこの場で整理してみようと思う。
スクールをおススメしない理由
僕が読んだ中では、スクールの卒業生と独学で学んだ人を比較して、独学で学んだ人の方が優秀だという理由で、スクールをおススメしないという論調の記事が多いです。
しかし、この二つを比較するのは間違いです。
企業に就職する前にプログラマの勉強をしようと考えるのは、プログラマとして仕事ができるだけの自信を持てるまで就職することをためらっているからです。
全くの初心者でも一から教えるという企業もありますが、本当に何も知らない状態でやっていけるのか不安になるのは当然の心理ですね。
独学で自信を持てるまで、どれくらい時間がかかるでしょうか?
人のよって大きな差がありますが、少なくてもスクール生と同じ期間では不可能です。
非常に多くの時間がかかっているはずです。
自信を持てるまで多くの時間をかけて学習してスキルを磨いてきた人(独学者)と、短期間でプログラマとして必要なことを学んだ人(スクール生)を比較して、前者の方が優秀だと言っているのです。
何を当たり前のことを言っているのだろう、という印象なのです。
そもそも動機が異なる
高いお金を支払ってスクールに通う。
その動機の多くは、『少しでも早くエンジニアとして転職して収入を得たい』というものです。
いつかは転職したいと思っているなら、高いお金を払うのをためらって独学で学ぼうとするはずです。
つまり少しでも早く収入が欲しいから、お金を払う、ということです。
独学では、「どこまで学べば現場で通用するのか?」という疑問が解決することはありません。
自分の判断でいけると思うまで学び、実践していくしかないのです。
これには長い時間が必要です。
ようするに先が見えないのです。
そんな独学を少しでも早くエンジニアとして転職して収入を得たい人に勧めるのは、転職をあきらめろと言っているのと同じです。
何言ってるの?という印象しかありません。
最低限の知識がある人材という需要
僕はスクールに通ったことがないので、そこでどんなことを教えているのかはわかりません。
だから、プログラマーとして最低限に必要なことを教えているという前提で書きます。
そもそも企業がスクールの卒業生を採用することを検討している時点で、未経験者を企業プログラマーとして一から育てようとする気持ちがあります。
実際に育てるように命じられたエンジニアはどうかわかりませんが、企業としてはスクール卒業生も独学者も同じ未経験者です。
とはいえ、必要最小限のことは知っていることを求められます。
さすがに『プログラムって何?』という教育から始めるわけにはいきませんから。
そんな中で、知識として学習した内容を第三者が保証してくれるスクールは安心感がある…かもしれません。
もちろん、スクール卒業生よりも優秀だと確信できる独学者が同じタイミングで面接を受けに来たら、そちらを採用する確率が高いです。
しかし採用は企業側と採用希望者の様々な事情がからんでくるので、必ず優秀なほうが採用されるとは限りません。
どちらを採用するかは企業の判断次第です。
どちらが有利かどうかは、わからないのです。
独学者が有利だという話は、現場の人間の『プログラマーとしての能力が少しでも高い人が来てほしい』という願望です。
そもそも、スクール卒業生と独学者が同じタイミングで面接を受けに来たという前提の話です。
都市部はどうだかわかりませんが、地方ではそんなケースはほとんどありません。
気になる話
プログラマーについて気になる話があったので、自分なりに解釈してみます。
人に教えてもら思う時点でプログラマーに向いていない?
『人に教えてもらわないとプログラマーになれないと思っている時点でプログラマーに向いていない』という話もあります。
プログラマーも含めてエンジニアは様々な問題に直面します。
それを素早く解決していく能力が求められます。
他の人も同じように問題をかかえていることが多いので、いつも頼っているわけにはいきません。
そのため、『人に教えてもらうことを当たり前と思っている人はプログラマーに向いていない』ということだと思います。
これもモヤモヤ感いっぱいです。
そもそも『プログラマーになる』ことと『プログラマーとして問題解決する』ことは全く別の話です。
ここでは『少しでも早くエンジニアとして転職して収入を得たい』という目的を前提としています。
『趣味で学びたい』『いつかはプログラマーとして転職したい』という人は除きます。これらの人は、独学で十分です。
すぐに収入を得たいという目的で、お金やコネがあるなら、それを活かすことが効率のいい問題解決の手段です。
それがないから、独学するしかないともいえます。
人に教えてもらえる手段があるから人に教えてもらうだけで、プログラマーに向いている、向いていないとは全く関係のない話です。
またプログラマーとしての問題解決は、仕事を通して身についていくものです。
そうしないと仕事にならないから、必要に迫られて身につけていくのです。
実際に身につくかどうかは本人次第ですが、学ぶ方法を模索している時点では全く関係のない話です。
優秀なプログラマーは独学者が多い
優秀なプログラマーは独学者が多いらしいです。
そんなことはありません。
そう思っている人が多いとしたら、ネット等で独学プログラマーが発言したり記事を書いていたりして、それが多くの人の目にとまっているだけです。
スクール卒業生でも、優秀な人は多いです。
そもそも優秀なプログラマーなんていません。
『お前優秀だな』なんて言われて喜ぶプログラマーはいません。
独学でもスクール卒業生でも、就職したらそれ以降は同じです。
自分の与えられた仕事を日々こなしていき、その分野の知識を自然と増やしていき、それが得意分野になっただけです。
プログラマー自身は、その分野から大きくはずれたら未経験者と同じだと思っています。
そんな自分が優秀なんて、嫌味言ってんじゃないのか?とすら思っているのです。
外国人なら自分は優秀だとアピールするかもしれませんが、日本人で自分は優秀だと言っているプログラマーはいないと思います。
スクール在籍者が置き去りな議論
そもそもこの記事を書いたのはモヤモヤ感を整理したいという理由もあったのですが、それよりも『現在スクールに在籍している生徒』への配慮が全くないことに不満があったからです。
『本当にこのままここにいてプログラマーになれるのだろうか』
『高いお金を払ったのは失敗だったのではないか』
スクール在籍者は、こんな心配をかかえているかもしれません。
そんなとき独学で学んだ方が有利という話を聞いたら、心が折れて、学ぶのをやめてしまうかもしれません。
無責任な議論が元で、そんな結果になるのはとても残念なことです。
そのまま学んでいけば必ず転職できるという保証はありません。
それは時間をかけて学んできた優秀な独学でも同じです。
考え方によっては、短期間で就職に至ったスクール生の方が勝ち組だともいえます。
結果はわかりません。
ですが『今は、必ずいい結果になると信じて精いっぱい頑張ることが、一番の近道』ということを伝えたかったのです。
プログラマーになるのにスクールは必要なのか
プログラマーになるのにスクールは必ずしも必要というわけではありません。
独学でもプログラマーになれる可能性はあります。
ただし、それなりの時間が必要です。
できるだけ早くなりたいなら、効率のいい道筋を教えてくれる存在が必要です。
それはもしかしたら、自治体主導のプログラム教室なのかもしれません。
そんなものは無いとしたら、スクールが選択肢の一つになるかもしれません。
更新日:2023/09/04
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