【JavaScript】DOM要素が画面上に表示されたときイベントを発生させる方法
更新日:2023/05/19
JavaScriptでDOM要素がブラウザのビュー内に入ったときに、動きを持たせて読者に興味を持たせたい。
そんなニーズが意外と多いです。
そこで今回は、DOM要素が読者の目に入ったときにコールバックで通知を行う方法をお伝えします。
Intersection Observer API
DOM要素がブラウザのビュー内に表示されたときに通知を受け取るにはIntersection Observer APIを使用します。
Intersectionは交差、Observerは観察者という意味があるので、DOM要素が特定の領域と交差するのを監視するAPIという意味です。
Intersection Observer APIの使い方
Intersection Observer APIは、次のように使用します。
// 交差オブザーバーの生成
const observer = new IntersectionObserver(
(entries, observer) => entries.forEach(
entry => {
const entity = entry.target; // 対象のDOM要素を取得
if( entry.isIntersecting ){
// ビューに入った時の処理
}else{ //
// ビューから外れた時の処理
}
}
));
// 交差オブザーバーの開始
observer.observe( DOM要素 );
まずは、IntersectionObserverコンストラクターに引数としてコールバック関数を渡して、インスタンスを生成します。
次にインスタンスのobserveメソッドを呼び出して、引数で渡したDOM要素の監視を開始します。
マージンを指定する
ビューに余白を持たせて、その内側にDOM要素が入ったら通知を得ることもできます。
次のように、IntersectionObserverコンストラクターの第二引数を指定します。
const observer = new IntersectionObserver( コールバック関数 , {
rootMargin:"-20% 0px -20% 0px",
});
rootMargin:"-20% 0px -20% 0px"は、上下20%の範囲を余白に設定しています。
画面の内側に余白を設定するときは、マイナス指定します。
プラス指定すると画面外に設定されます。
要素の表示割合を指定する
ビュー内にDOM要素がどれくらい入ったら通知するのかも指定できます。
次のように、IntersectionObserverコンストラクターの第二引数を指定します。
const observer = new IntersectionObserver( コールバック関数 , {
threshold:0.5,
});
threshold:0.5は、DOM要素の50%のラインがビューの内側に入ったときに通知されます。
0なら0%つまり少しでも表示されたときです。
1なら100%つまり要素全てが表示されたときです。
この値は配列での指定もできます。
[0 , 0.5 , 1]なら、0%、50%、100%で通知されます。
監視を終了する
要素の監視を終了するときは、IntersectionObserverコンストラクターのインスタンスからunobserveメソッドを呼び出します。
引数はDOM要素です。
const observer = new IntersectionObserver( コールバック関数 );
observer.observe( DOM要素1 );
observer.observe( DOM要素2 );
observer.unobserve( DOM要素1 ); // DOM要素1の監視を停止
全ての監視を停止するときは、disconnect()を呼び出します。
引数はありません。
const observer = new IntersectionObserver( コールバック関数 );
observer.observe( DOM要素1 );
observer.observe( DOM要素2 );
observer.disconnect( ); // DOM要素1とDOM要素2の監視を停止
具体例:フェードイン
Intersection Observer APIの具体例として、DOM要素がビュー内に入ったら少しずつ表示(フェードイン)されるコードを挙げてみます。
次のようなhtmlを想定しています。
<div class="scroll_view_area" style="border:1px solid gray;box-sizing: border-box;">
<div>
<p>こんにちは!</p>
</div>
</div>
JavaScriptは次のようになります。
Array.from( document.getElementsByClassName("scroll_view_area") ).forEach(
e=>{
const inner_div = e.getElementsByTagName("div")[0];
(new IntersectionObserver(
(entries, observer)=>{
entries.forEach(entry => {
[inner_div.style.transition ,inner_div.style.opacity]
= entry.isIntersecting ? ["all 5s","1"] : ["none","0"];
});
},{rootMargin:"-20% 0px -20% 0px",threshold:1})).observe( e );
}
);
要素がエリア内に入ると、次のスタイル属性がセットされます。
transition: all 5s
opacity: 1
これにより、5秒かけて完全な透明(表示されていない状態)から完全な不透明(表示されている状態)に切り替わっていきます。
要素がエリアから出ると、次のスタイル属性がセットされます。
transition: none
opacity: 0
これにより即座に、完全な透明(表示されていない状態)に切り替わります。
■上記のコードのデモです。
具体例:cssでの状態切り替え
cssの@keyframesなどを使ってDOM要素にアニメーションを行わせたいときなどは、次のようなコードでクラスを変更します。
Array.from( document.getElementsByClassName("scroll_view_area") ).forEach(
e=>{
const inner_div = e.getElementsByTagName("div")[0];
inner_div.classList.add( "scroll_view_area_init");
(new IntersectionObserver(
(entries, observer)=>{
entries.forEach(entry => {
inner_div
.classList[ entry.isIntersecting ? "add" : "remove" ]("scroll_view_area_on");
});
},{rootMargin:"-20% 0px -20% 0px",threshold:1})).observe( e );
}
);
スタイルは、次のようになります。
.scroll_view_area_init{
height:3em;
position: relative;
}
.scroll_view_area_init p{
position: absolute;
display: none;
}
.scroll_view_area_init.scroll_view_area_on p{
display: block;
animation: 3s both move_p;
}
@keyframes move_p { from { top: -180px;left:100px; background-color: #e74c3c; } to { top: 0;left:0; background-color: #ffffff;} }
■コードのデモ
こんにちは!
具体例:1回のみ通知を受けとる
通知を1回だけ受けとり、以降は監視を停止するときは、通知を受け取った後にunobserve()を呼び出します。
Array.from( document.getElementsByClassName("scroll_view_area") ).forEach(
e=>{
const inner_div = e.getElementsByTagName("div")[0];
[inner_div.style.transition ,inner_div.style.opacity]=["none","0"];
(new IntersectionObserver(
(entries, observer)=>{
entries.forEach(entry => {
if( entry.isIntersecting ){
[inner_div.style.transition ,inner_div.style.opacity]=["all 5s","1"];
observer.unobserve( entry.target );
}
});
})).observe( e );
}
);
上のコードはエリアから外れたときも通知を受け取るので、entry.isIntersectingで状態を確認しています。
また、初期状態としてコードで要素を非表示にしています。
cssで最初から非表示にしていないのは、ブラウザ設定でJavaScriptを停止している可能性を考慮しているからです。
更新日:2023/05/19
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