Canvas画像処理

【JavaScript】 Canvasのtranslateやscaleなどをリセットする方法

更新日:2021/09/01

JavaScriptのCanvasAPIにはtranslateやscaleなどの変換メソッドがあります。

しかし変換をリセットするメソッドが存在しません。

そこで、変換内容をリセットする方法をお伝えします。

 

リセットするコード

translateやscale、rotateなどの変換関数を全てリセットするなら、次のコードを実行すればよい。


context.setTransform(1,0,0,1,0,0);

 

解説

translateなどの関数を実行すると、変換マトリックスが順番に登録されます。

その際、各関数はtransformに置き換えることができます。

例:
translate( x , y ) → transform( 1, 0, 0, 1, x, y )
scale(x, y) → transform( x, 0, 0, y, 0, 0 )

setTransformは登録されたマトリクスをリセットしてくれます。
そして、新たなマトリクスを登録します。

しかしリセットのみで終わってくれるのならよかったのですが…
何らかの引数を指定する必要があるのは、少し面倒です。

そこで、変換前と変換後が同じになる値を引数として与えます。

その例が、次のコードです。

context.setTransform( 1,0,0,1,0,0 );

 

特定の変換のみリセットしたい

変換を全てリセットするのではなくてscaleなど特定の変換のみをリセットしたい場合は、変換内容を記憶しておき、リセット後に必要な変換を再度適用します。

次のコンストラクターは、変換関数の登録と実行、およびリセットをおこないます。


const TransControl = function ( context ){
    const transFUnc = {
        "scale" : CanvasRenderingContext2D.prototype.scale,
        "translate" : CanvasRenderingContext2D.prototype.translate,
        "rotate" : CanvasRenderingContext2D.prototype.rotate,
    };
    let commandData = [];

    const setAndRunCommand = ( name , arg ) => {
        runCommand( name , arg );
        commandData.push( [ name , arg ] );
    }
    const runCommand = ( name , arg ) => transFUnc[name].apply( context , arg );
    const resetCommand = name =>{
        commandData = commandData.filter( data => data[0] !== name );
        context.setTransform( 1,0,0,1,0,0 );
        commandData.forEach( data => runCommand( data[0] , data[1] ) );
    }

    Object.keys( transFUnc ).forEach( name =>{
        this[name] = (...arg)=>setAndRunCommand( name , arg );
        this[ "reset" + name.replace( /^[a-z]/g,t => t.toUpperCase() ) ]
            = ()=>resetCommand( name );
    })

}

コンストラクターからインスタンスを作成すると、次のメソッドが使用可能になります。

■変換登録&実行メソッド

同名の変換メソッドと同じ引数を受け付けます。

scaleメソッド
translateメソッド
rotateメソッド

■リセット

登録したマトリックスをリセットします。
引数はありません。

resetScaleメソッド
resetTranslateメソッド
resetRotateメソッド

使用例


window.addEventListener( "DOMContentLoaded" , ()=> {
    const context = document.getElementById( "cv" ).getContext("2d");

    const tc = new TransControl( context );

    tc.scale( 0.5 , 1 );
    tc.translate( 100 , 100 );
    tc.translate( 100 , 0 );

    tc.resetScale(); // scaleのみリセット

    context.fillRect( 10 , 10 , 100 , 100 )

});

なおリセットによる影響を受けるのは、リセット以降に描画される図形のみです。

既存の図形も変更したいときは、変換メソッドと同様に描画メソッドも記憶しておく必要があります。

更新日:2021/09/01

書いた人(管理人):けーちゃん

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記事の内容について

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こんにちはけーちゃんです。
説明するのって難しいですね。

「なんか言ってることおかしくない?」
たぶん、こんなご意見あると思います。

裏付けを取りながら記事を作成していますが、僕の勘違いだったり、そもそも情報源の内容が間違えていたりで、正確でないことが多いと思います。
そんなときは、ご意見もらえたら嬉しいです。

掲載コードについては事前に動作確認をしていますが、貼り付け後に体裁を整えるなどをした結果動作しないものになっていることがあります。
生暖かい視線でスルーするか、ご指摘ください。

ご意見、ご指摘はこちら。
https://note.affi-sapo-sv.com/info.php

 

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