【PHP】 アップロード可能な上限ファイルサイズの調べ方と注意点
更新日:2020/01/19
PHPはプログラム上でアップロードできるファイルサイズを制限している。
今回は制限の確認方法と、変更方法をお伝えします。
php.iniにアップロードに関する設定が保存されている
PHPのファイルアップロードに関する設定は、php.iniというファイルに保存されています。
基本的には黒い画面を開いて直接ファイルを編集するのですが、mixhostやxserverなどの大手のレンタルサーバーなら、管理パネルから設定可能になっているケースが多いです。
ブラウザで確認する方法
php.iniの内容を直接見るのは難しいし、できても面倒なので次の方法で確認してみます。
(1) メモ帳などに次のコードを入力して、「phpinfo.php」という名前で保存してください。
phpinfo.php
<?php phpinfo();
ダウンロード
(2) サーバーにFTPなどで転送してください。
(3) ブラウザでphpinfo.phpを開くと、設定値が一覧で表示されます
PHPプログラムで確認する方法
php.iniの設定値は、次のphpコードで確認できます。
phpinfo.php
echo ini_get(確認したいディレクティブ);
ファイルアップロードのサイズ制限に関するディレクティブ
PHPのファイルアップロードに関する設定は、次のディレクティブで確認できます。
1.file_uploads
ファイルアップロードが許可されているかどうか。
「On」ならアップロード可能。
設定できるファイル:php.ini または httpd.conf
2.max_file_uploads
一度にアップロードできるファイル数。
設定できるファイル:php.ini または httpd.conf
3.memory_limit
PHPプログラムを実行するときに使用できる最大メモリ。
設定できるファイル:php.ini または httpd.conf 、 .htaccess(Apache互換Webサーバー) 、.user.ini (CGI/FastCGI SAPI)
4.upload_max_filesize
一度にアップロードできるファイルのサイズ。
設定できるファイル:php.ini または httpd.conf 、 .htaccess(Apache互換Webサーバー) 、.user.ini (CGI/FastCGI SAPI)
5.post_max_size
一度のPOSTに含むことができるデータのサイズ。
ファイルデータはPOSTデータの中に含まれる。
設定できるファイル:php.ini または httpd.conf 、 .htaccess(Apache互換Webサーバー) 、.user.ini (CGI/FastCGI SAPI)
設定値に関する注意点
3.memory_limit > 5.post_max_size > 4.upload_max_filesize が望ましい。
理由1)
送信されてきたファイルのデータは一度メモリに取り込まれる。
プログラムの実行に必要なメモリサイズとファイルのサイズの合計がmemory_limitを超えると、アップロードすることができない。
理由2)
POSTデータはファイルデータの他にも追記されることが多い。
post_max_size <= upload_max_filesize とすると、upload_max_filesizeで指定されているサイズを送信したらエラーとなる。
例:
■設定値
upload_max_filesize=1M
post_max_size=1M
■アップロードするデータ
画像ファイル  サイズ1Mバイト
ファイル名   サイズ数10バイト
POSTされるデータサイズが1Mバイト+数10バイトのため、upload_max_filesizeを超えてしまい送信失敗。
設定方法
基本はphp.iniで設定すします。
ただし次のディレクティブのみ、他の方法で上書き設定が可能です。
上書き設定可能なディレクティブ
memory_limit
upload_max_filesize
post_max_size
Apache互換Webサーバーでの設定
.htaccessファイルを使用できるWebサーバーの場合、次のように変更します。
.htaccessでの設定
php_value memory_limit 128M
php_value post_max_size 25M
php_value upload_max_filesize 20M
ただしサーバーの設定で.htaccessファイルを使用できるように設定されている場合に限ります。
レンタルサーバーなら、使用できると思います。たぶん…
CGI/FastCGI利用サーバーでの設定
Nginxなど.htaccessファイルを使用できないサーバーは、「.user.ini」というファイルを変更することで設定を上書きできる可能性があります。
.user.iniでの設定
memory_limit=128M
post_max_size=25M
upload_max_filesize=20M
.htaccessと書き方が異なるので注意。
備考:php.iniでの設定
一応、php.iniでの書き方も掲載しておきます。
php.ini
memory_limit=128M
post_max_size=25M
upload_max_filesize=20M
.user.iniと同じです。
Webサーバーで制限されていることもある
PHPの設定を変更してもアップロードでエラーが出る場合は、Webサーバー側でも制限がかかっている可能性があります。
デフォルトではApacheは無制限ですが、Nginxは1Mバイトで制限がかかるようです。
Apacheで制限はphp.confというApacheの設定ファイルでされています。
ですが、.htaccessで上書き設定可能です。
次の例のように、 LimitRequestBody に対して、0(無制限)~ 2147483647 (2Gバイト)で指定します。
.htaccessでの設定
LimitRequestBody 52428800
Nginxは、nginx.confというファイルの client_max_body_size ディレクティブで設定されています。
しかしこの設定値は、上書き設定できないようです。
レンタルサーバーなど設定ファイルを変更できない場合、あきらめるしかないようです…
設定値を抜き出しバイトに変換するPHPコード
最後にPHPプログラム上で、サイズ設定を抜き出しバイトに変換するコードを紹介します。
PHPコード
const INIGETBYTE_ARRAY=['K'=>1,'M'=>2,'G'=>3];
function ini_get_byte($directive){
if(($v = ini_get($directive))===false) return ['text'=>'','byte' => false];
$retval=false;
$v = trim($v);
// 全て数値ならそのままINTへ
if(ctype_digit($v)) {$retval=intval($v);}
else {
$len = strlen($v);
// 文字数が0か1なら数値ではない
if($len>1){
// 最後の一文字以外を取得
$val = substr($v,0,$len-1);
if( is_numeric($val) ) {
// 最後の一文字をキーとして取得
$key = strtoupper(substr($v,-1));
if(array_key_exists($key,INIGETBYTE_ARRAY))
$retval = floor(floatval($val) * pow(1024,INIGETBYTE_ARRAY[$key]));
}
}
}
return ['text'=>$v,'byte' => $retval];
}
この関数はPHPのディレクティブを渡すと、次の配列を返します。
['text'=>inivalue,'byte'=>bytes]
■inivalue
ini_get()で取得した文字列
■bytes
バイト変換した整数値。
完全な数値か、末尾にMやKなどの単位文字がついている数値をバイト数に変換します。
それ以外はFALSEがセットされます。
実行結果
var_dump( ini_get_byte('memory_limit'));
array (size=2)
'text' => string '128M' (length=4)
'byte' => int 134217728
var_dump( ini_get_byte('default_charset'));
array (size=2)
'text' => string 'UTF-8' (length=5)
'byte' => boolean false
この関数は設定値と変換後のバイト数を取得したかったので、返り値が配列になっています。
バイト数の変換と逆変換については、こちらでも紹介しています。
■【PHP/JavaScript】 バイト数とメガバイトの相互変換するプログラム
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更新日:2020/01/19
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