【JavaScript】オブジェクトの抽象等値比較(==、!=)の結果と仕組み
更新日:2024/02/20
JavaScriptは、==、!= での比較を抽象等値比較と呼んでいます。
オブジェクトを抽象等値比較の対象とすることができますが、どのような結果になるのか資料があまりありません。
そこで、今回はオブジェクトの抽象等値比較の結果と仕組みについて解説します。
オブジェクトの抽象等値比較の結果
抽象等値比較は左右の型が同じなら、厳密比較されます。
つまりオブジェクト同士を抽象等値比較すると厳密比較され、同じオブジェクトのとき結果が true になります。
型が異なる時はオブジェクトは、数値や文字列などのプリミティブに変換されます。
変換結果は、デフォルトでは次のようになります。
"[object Object]"
つまり次の比較は、
({}) == 1
次のように置き換えられ、
"[object Object]" == 1
結果は false になります。
ちなみに、オブジェクトと"[object Object]"を比較すると、次のような流れでtrueになります。
({}) == "[object Object]" → "[object Object]" == "[object Object]" → true
オブジェクトのプリミティブ化の仕組み
オブジェクトのプリミティブ化は、次のメソッドを順番に存在するかどうか確認して、存在するなら実行します。
実行結果がオブジェクト以外なら、その値が変換後のプリミティブとなります。
- [Symbol.toPrimitive]("number")
- valueOf()
- toString()
オブジェクトはデフォルトでは、1.の[Symbol.toPrimitive]が存在しないので、実行されません。
2.のvalueOf()は、自分自身、つまりオブジェクトを返すので、プリミティブではありません。
3.のtoString()は"[object Object]"を返すので、この文字列が変換結果となります。
オブジェクトの抽象等値比較のカスタマイズ
オブジェクトと他の型との抽象比較結果は、仕組みで挙げたメソッドを追加することでカスタマイズできます。
今回は、[Symbol.toPrimitive]メソッドを追加してみます。
const obj = {
num : 1000,
[Symbol.toPrimitive]:function(hint){
switch ( hint ){
case "number": return this.num;
case "string": return this.toString();
default: return this.num;
}
}
};
console.log( obj == 1 ); // true
これで数値による比較ができるようになりました。
任意の文字列で比較するときは、case "number":で文字列を返します。
比較対象が文字列だからといって、case "string":の方を評価することは無いので注意が必要です。
更新日:2024/02/20
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