【Node.js】ExpressでPHPを処理する
更新日:2022/09/30
Node.jsのExpress はWebサーバーを構築するためのフレーワークモジュールです。
当然のことですがJavaScriptに準ずる言語で記述する必要があります。
しかしPHPで記述されたコードを有効活用したいケースがあります。
そこで今回は、ExpressでPHPを処理する方法を紹介します。
単純なPHP処理
PHPの処理は、基本的には子プロセスで実行して結果を受け取ります。
const {exec} = require("child_process");
app.get(/\.php$/,(req, res) =>{
const p = exec(`php .${req.path}`,(error, stdout, stderr) => {
if (error) {
res.send(`PHP Error:${error}`);
}else{
res.send(stdout);
}
});
});
上のソースコードとPHPファイルが同じ階層にあるケースを想定しています。
execはシェルでコマンドを実行して、結果をコールバックで返します。
実行するコマンドは php で、引数に URLのパスをファイル名として指定しています。
ただしreq.pathは先頭に / が含まれるので、その前に .(ドット)を付けています。
GETやPOSTなどのパラメータを処理しなくていいい時は、起動等のオーバーヘッドを気にしないならこれで十分ですね。
GETやPOSTなどを処理する
PHPファイルのコードで、GETやPOSTなどのパラメータやブラウザからアップロードされてきたファイル等を処理している場合は、PHPを処理できるWebサーバーに任せてしまうのが手っ取り早いです。
PHP組み込みサーバーを使用する
PHPには標準でWebサーバー機能が組み込まれています。
今回はこの機能を使用してみます。
PHP組み込みサーバーのコマンド
PHP -S ホスト名:ポート -t ドキュメントルート -t オプションは任意です。 起動時のディレクトリがドキュメントルートになりますが、 -t オプションがあるとこちらが使用されます。
実際のところ、このサーバーはアプリケーション開発の支援用なので制約があります。
詳しくはこちらを見てください。
■ビルトインウェブサーバー | php.net
実務的なシステムはApache等のWebサーバーを用意した方がいいですね。
だったらApacheで受けて、Expressポートにリバースプロキシした方がいいのか…
ディレクトリ構成
今回は次のような構成でコードを作成してみます。
ワークスペースディレクトリ ┣ front ┃ ┣ resource ┃ ┃ ┣ js ┃ ┃ ┃ ┗ test.js ┃ ┃ ┗ image ┃ ┗ test.php ┣ app.js ┗ php-request.js
front はブラウザ表示する phpコードとjsなどのリソースを格納しているディレクトリです。
このディレクトリをドキュメントルートとして、PHPサーバーを起動します。
app.js はExpressのルーティングを行います。
php-request.js はPHPサーバーの起動と、サーバーへの要求を行います。
app.js
app.jsは、次のようなコードです。
app.js
const express = require("express");
const app = express();
const port = 3000;
app
.use( (()=>{
const raw = express.raw({ type:'*/*', limit: "10mb" });
const urlencoded = express.urlencoded({extended: true, limit: "10mb"});
return (req, res, next)=>
/\.php$/.test(req.path) ? raw(req, res, next) : urlencoded(req, res, next);
})() )
.all(/\.php$/, require("./php-request")())
.get("/",(req, res) => {
res.json(req.query); // GETパラメーターの確認
})
.use("/js",express.static('./front/resource/js'))
.use("/image",express.static('./front/resource/image'))
.listen(port, () => {
console.log(`start on port ${port}`)
});
最初の use() はリクエストのパラメーターを取得して解析しています。
ただしphpのリクエストは、生データのまま取得します。
2番目の use() は、リクエスト対象が php の時、php-request.php 内の処理を呼び出しています。
php-request.php
php-request.phpは、次のようなコードです。
php-request.php
const httpRequest = require('http').request;
const {spawn} = require("child_process");
const host = "127.0.0.1";
const port = 5000;
const rootDir = ".\\front";
const phpPath = "C:\\php8.1\\php.exe";
module.exports = ()=>{
// PHP組み込みサーバー起動
const p = spawn(phpPath,["-S",`${host}:${port}`],{cwd:rootDir});
// p.stdout.on("data",data=>console.log(data.toString()));
// p.stderr.on("data",data=>console.log(data.toString()));
const option = { host:host,port:port,};
return (request,response)=>{
option.path = request.originalUrl;
option.headers = request.headers;
option.method = request.method;
const rq = httpRequest(option,
res=>{
res.pipe(response);
}).on("error", e => response.sendStatus(503));
if( request.body instanceof Buffer ) rq.write(request.body);
rq.end();
}
}
PHPの組み込みサーバーを起動した後、サーバーにリクエストする関数を返しています。
返した関数はExpressから呼び出されるので、requestとresponseの二つの引数を持っています。
この関数内では http.request で PHPサーバーに要求を送っています。
POSTはBodyにパラメーターがセットされます。
そこで request.body の内容を、writeでPHPサーバーに渡しています。
Bufferのインスタンスかどうかチェックしているのは、GETのとき普通のオブジェクトがセットされていて、そのまま指定するとエラーになるからです。
重要なのが最後の rq.end() です。
これが無いと、要求が完了しません。
気が付くまで半日かかりました…
なお、このコードは最低限のことしかやっていません。
PHPサーバーの起動確認とか必要です。
PHPサーバーは起動時にメッセージを出力するのでこれを確認すればいいのですが、環境によっては標準エラーに出力されていたり、出力先が不明だったりと、非常にメンドクサイです。
サーバーに要求を送って、応答を確認した方が速い気がします。
同一ポートで起動してもエラーを出さないので、既に起動しているかどうかのチェックも必要かもしれません。
またPHPの組み込みサーバーはシングルスレッドです。
ということは、交通整理?が必要です。
いろいろやることがあるので、勉強にはなりそうですね。
更新日:2022/09/30
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